【コラム】「side使い」はいつ頃現れたのか

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

[2018年12月13日更新]


ネット小説は玉石混淆。
優れた作品の特徴は一概に「これ!」とは言えませんが、残念な作品の特徴は分類が容易です。

そんな残念な作品に多いのが「SIDE」。
視点変更するときに出てくるメタ表記で、これを多用すると「side使い」と揶揄されます。
ところで、これっていつ頃登場したのでしょうか?

Fate/Stay Nightが発祥?

少なくとも2000年代初頭には、商業小説、ネット小説のどこにも見当たりませんでした。

初めてこれを目にしたのは、2004年。
世間に脱CD、DVD化の流れが押し寄せていた時代。
あのType-Monnが商業化し、大容量の新作を発売し業界をゆるがした時代。

Fate/Stay Nightのなかで、この「SIDE」表記を初めて目にしました。

その後、ネット上にFate二次創作が溢れるようになります。
そこにはもちろん「side」の表記が。
また、この便利な手法は、その他の二次創作にも(そしておそらく一次創作にも)取り入れられていきます。
これが「SIDE使い」の第一次世代です。
そして、これらの作品群を読んで育った第二次世代が、現在なろう等で悪目立ちしてるのだと思います。

「SIDE」の効果

「SIDE」を使う。
それ自体が悪いわけではありません。

実際にFate/SNにおいては、効果的に利用することができていました。
最序盤に視点が変わってしまい、何も分からなないまま、ますます混乱してしまう。これを避ける為に、視点の変化を明示するのは必要な演出だったと思います。
また、前作の『月姫』においては叙述トリックを使うルートがあり、これを疑ってかかるファンに安心感を与え、ストーリーに集中させる効果がありました。

「SIDE」は小説で使うべからず

でもね、これってヴィジュアル・ノベルだからこその表現ですよ。
文章の他に、視聴覚的な演出をたくさん採り入れた媒体だからこそ許される表現です。

小説は、文章ですべて表現すべし。
そういう考えが主流です。
だから顔文字や台本形式は、基本的に許されていない。

「SIDE」を使うのは、小説を読み慣れておらず小説の作法、暗黙の了解が分かっていない、不心得者の証。
とまでは言えませんが(分かった上で敢えてギミックとして使っている人もいる)、小説素人が圧倒的に多いのは事実。
そういう不心得者を揶揄する言葉として、「SIDE使い」が使われているみたいです。

あるいは、わざわざ視点転換をして、同じ場面、分かり切った展開を繰り返す作者。つまり、視点転換を使いこなせていない作者を、揶揄する言葉として、使われるようになったみたいです。

もし、小説の作法を外れた「SIDE」表記が許されるとしたら、それは、不作法を覆して余りある効果が期待されるときだけでしょう。

まとめ

・「SIDE」表記はFate/Stay Night発祥だと思われる。
・この影響を受けた第一世代の作品群を読んで育った人が、第二次世代となった。
・「SIDE」表記は小説の作法に反する。
・なので「SIDE使い」と揶揄されるようになった。

  • このエントリーをはてなブックマークに追加

SNSでもご購読できます。

コメントを残す

*